File.1 空いた時間で夢に挑む 2枚の名刺を持つ彼の夢とは?

彼は自らを表現下手だとこぼす。うちに秘めたものが大きく、そして熱い。

私が彼の話を聞いていて、それがひしひしと伝わって来た。

私より二周り近く歳が上である彼のエネルギーに、負けてはいられない。

それが率直な感想だっただろうか。

 

彼は長崎県出身の福島肇さん。福島さんは普段、会社員でありながら

NPO「わくわくふぁーむ」の代表を務める。

彼は2枚の名刺を持っている。どちらが副業でもない。

福島さんは2つの本業を持つマルチワーカーなのだ。

 

勤める企業は創業間もない長崎県の企業であるが、福岡展開を果たしている急成長の企業だ。

マルチワークがまだ認知されていない今、福島さんの現在のライフスタイルを実現するためには、

この企業の協力なくしては実現できなかっただろう。

 

福島さんの2枚目の名刺であるNPOの「わくわくふぁーむ」は『らぶ・べじ』、『リ・ベジ』、『デストロイヤー』、『わくわくマルシェ』、『野菜の処方箋』と5大事業を掲げている。

 

らぶ・べじ』 : 自然の無農薬環境で育った、生産者の愛が詰まった野菜を『らぶ・べじ』としてブランド化を図る事業。
リ・ベジ』 : 規格外や返品で行き場を無くした野菜の販路を工夫して築く野菜のリベンジ事業。
デストロイヤー』 : 模様がプロレスラーのデストロイヤーに似ていることから名前が付いた「じゃがいも」。長崎の名産として世界に発信する事業。
わくわくマルシェ』 : 生産者と消費者、飲食店を直接繋ぎ、『らぶ・べじ』ブランド、『リ・ベジ』野菜を販売する事業。
『野菜の処方箋』 : 野菜の効能を最大限に引き出し、健康な野菜で健康寿命を伸ばす事を目指す事業。

 

『らぶ・べじ』プロジェクトは現在クラウドファンディングでパトロンを募って活動しています。(*2017年4月現在)今ではこうしたところからすぐ一緒になってプロジェクトの参加者となれます。

NPOを立ち上げ、今まさに自身が掲げる夢に挑むそんな福島肇さんのライフデザイン。

 

 

空いた時間を好きに使う マルチワークという生き方

福島さんは長崎県で高校を卒業後大阪へ。

大阪では仕事をしながら夜間の大学に通うこともあったという。

その後、複数仕事を経験し運送業をしていた頃に、祖母が亡くなった。

 

福島さんの中で、”祖母に対して何もしてあげられなかった”。

こうした思いから祖母にできなかった事が、他の介護を求める人へはできるのではないかと、介護の仕事を志した。

 

しかし、介護の資格を取得後に福島さんの選んだ道は、単に介護の仕事ではなかった。

かといって当時勤めていた運送業でもない。

どちらに決めるでもなく、福島さんは運送業と介護の掛け持ちを始めたのであった。

 

衝撃的だった。「こんなことをやってのける人がいるのか」(心の声)

 

よりによって運送と介護、業界を知らない私からすると、どちらも一つに専念するのが大変な仕事である気がします。

驚き、次の言葉が出ぬままでいた私に福島さんは、

空いた時間で、人のためになることがしたい

 

「すごい、素晴らしすぎる」(ようやく一言)

 

業界に限らず、自分が持つ時間の中で、空いた時間の使い道として福島さんが選んだ使い道が、介護であった。

考え方や発想が柔軟であると感じたし、常にできない理由を並べてしまう私とは正反対です。

見習わなければなりません。

 

今持つ仕事が手一杯であれば専念したらいいし、そうするべきだと思います。

しかし、自分の中で空いた時間として時間を確保できるのであれば、それは自分で使い道を選ぶことができます。

福島さんはその使い道を介護として使うことで。

自分にとっては生きがいとなり、さらに人のためになるならそれ以上ないですよね。

マルチワークによって収入も増え、全てが豊かになる。

 

ロボットが仕事を奪うと言われる現代。

奪われると思い悩む必要なんてないですね。

ロボットが与えてくれた時間を自由に使うことが許されるわけですから、

その時間を人のために使えれば豊かな人が増え、より良いのではないでしょうか。

 

 

介護と農業の経験から得た 次に掲げる目的

運送業の傍ら、介護の仕事を続ける福島さんでありましたが、足を怪我してしまいます。

それをきっかけに運送業を続けることができなくなってしまい、

介護一本に専念することにしました。

 

その後、福島さんは大阪から長崎に拠点を戻し、長崎では介護業の掛け持ちに。

そんな福島さんは、農業ヘルパーの研修をきっかけに農業に出会います。

農業の魅力、可能性に魅了されたのと同時に、農業が抱える課題を知りました。

 

ここで黙っていられないのが福島さん。

 

直ぐに農業に始めたのだろうと予想できてしまいました。

農業の課題、介護の課題。

二つの課題を知る福島さんだからこその気づきを基に、介護の現場で感じた限界を農業のポテンシャルで解決できるのではないのかと考えます。

 

そんな時に勤めていた介護の仕事が潰れてしまい、農業一本に専念することにした福島さん。

農業のポテンシャルは、耕作放棄地(耕作されていない農地は無農薬野菜の栽培を始めるのに適している)を全国で一番有する長崎県にこそあると、無農薬野菜の栽培を始めるのです。

無農薬栽培で、農業の人工的なところを削り、

より自然に近づいた農業によって、安全で安心して食べられる野菜。

人は自然に近づいた生活の中で、病気の予防が実現できるのでないかと考えます。

 

自然の摂理の中で生きることで、健康に暮らすことができるということを多くの人に知ってほしい。

考え始めたら動かずにいられない福島さんの一手がNPOの立ち上げだったのです。

このNPOこそが「わくわくふぁーむ」です。

 

最初はなかなか協力者を募ることができずに、運営がうまくいかない日々。

なんとか多くの方に農業の可能性を知って欲しいと、

行動する福島さんは、10分と限られた時間の中で夢を語るドリームプラン・プレゼンテーション に参加します。

今では少しずつ協力者も増え、最新のWebコンテンツであるクラウドファンディングも活用してさらなる成長を目指しています。

 

 

行動することで得た人生の目的 走り続ける福島肇

今、福島さんは自分がやらねばならない目的を見つけ、走り出した瞬間なのかもしれない。

多くの経験と自由な時間を、生きがいとして生きてきた福島さんのライフスタイルには常に目的が見えた。

 

福島さんは言う

空いた時間があるなら、みんな介護の資格をとって介護したら良いと思う

確かに介護の人不足はみんなの隙間時間で埋められるかもしれない。

介護に限らず、隙間時間を有効活用することで解決できる課題は増える。

定年を迎えた後の生きがいになるし、収入にだってなる。

若い方で、忙しく働き回りたい人だって同じです。人を求めているところはたくさんあります。

 

人と触れ合う機会を増やすことで充実感が増し。世界観も広がる。

自分の空いた時間を好きな事に、生きがいに自由に使えば豊かな人が増えるかもしれません。

 

福島さんは、空いた時間を有効活用したい人と、

人手が欲しい人をマッチングするサービスをやろうと試みたこともあるという。

度々福島さんの行動力には驚かされるが、まだ若い私が率先してやるべき事だなと思うのです。

 

仕事の掛け持ちは大変ではないのですか。

福島さんはこの質問に、“掛け持ちは気分転換になる”とも話していました。

長崎県は「わくわくふぁーむ」で農家さんを豊かに。消費者にとっても安心して食べられる野菜。

無農薬野菜は葉っぱまで食べられ、その葉を牛や豚が食べれば肉の肉質の向上にもつながる。

 

東京五輪で海外の人も安心して食べられる野菜を提供できるように。

長崎県の大学と連携もしている「わくわくふぁーむ」。

若い人への認知も広がる事で、課題の解決が加速できれば理想的です。

 

無農薬生産の『らぶ・べじ』・『リ・ベジ』を

『わくわくマルシェ』で消費者、飲食店に直接渡り、ネット販売で全国へ。

そんな近い将来が早く来ることが今後の目標だと福島さんは笑った。

 

 

私が感じたライフデザイン

福島さんがこのライフスタイルで生きるきっかけの全ては、

祖母が亡くなった事に対して、何もしてあげられなかった。

この気持ちが今の福島さんのライフスタイルを作り上げているのだろうなと思う。

 

今のライフスタイルを作り上げたきっかけから、

今は農業のポテンシャルを多くの人に知ってもらいたいとの想いで活動している。

福島さんは最高のおばあちゃん孝行をやっているのではないだろうか。

 

農業と同じくらい「わくわくふぁーむ」のポテンシャルもすごいなと感じる。

何よりもポテンシャルを秘めているのは「わくわくふぁーむ」なのかもしれない。

 

人は現状の環境に対して考え方や物事が変化する生き物。

だからこそ後悔という感情が生まれるが、そこから福島さんは何にも変えられないものを残している。

どんな感情も大切にする事で、唯一無二のライフデザインができるのではないだろうか。

 

自分自身生き方に悩み、模索する今、たくさん参考になる話が聞けた。

就職前には「社会に出る前に遊んでおけ」と誰かに言われたのを思い出した。

社会に出ればどこへでも行ける。無限がそこら中に広がっているのに。

社会に出ることがマイナスな表現に取られることのない未来こそ、子供が夢を見られる社会だと思う。

 

会社や、その他の組織に固執する事なく、自ら環境を求めてあらゆる場所で活動する。

そんな自分にしかできない生き方こそ、これから大切なライフスタイルなのかもしれない。

 

マルチに活動の幅を持つことが、社会の中のひとりとしてではなく、個人として社会の中に参加する。

個々が輝ける社会こそ理想的だなと思う。

 

将来の夢など単語で表せるものではない。自分のありたい姿こそが夢である。

ありたい姿であるために、今日明日を生きる事ができればきっと夢に近づく。

ありたい姿であろうとした福島さんの形が「わくわくふぁーむ」となった。

 

情報を発信する側の私が一番学ばせてもらったような気がする。

 

「わくわくふぁーむ」はまだまだ初期段階。福島さんの夢は始まったばかり。

彼はまた今日も大好きなMr.Childrenを聴きながら耕作放棄地の草むしりに励んでいる。