File.2 やりたい事もわからず歩んできたけど、今の僕は僕らしい

*美容室 flam 

 

小学校、中学校。中学校を卒業したら高校に進学して、大学に進む。

セオリーが出来上がっている世の中。

将来の選択の納期は18年、22年と定められているかのようだ。

 

幼少期は夢を語り、小学校高学年から中学生になれば、なぜか夢を語る人は減ってくる。

人生80年。20年余りで将来を決め、残りの60年を生きる。

夢に対して真剣に考えられる時間なんて10年あるだろうか。

僕らの将来の選択肢なんて60年を生きながら、やっと見つけられるものだから。

 

 

 

高校卒業後、大学に進学した彼は今、美容師として独立して2年目を迎えている。

長崎県諫早市。現在新しく開発が進められている諫早駅から15分ほど歩いたところに店舗を構える「flam(フラム)」のオーナーである安倍竜一郎さん。

 

 

今回 Pain(ペイン)では一時は大学に進学しながらも、美容師として独立に至った安倍さんライフスタイルに迫ります。

 

 

*安倍竜一郎さん カット中を激写

 

 


 

 

 

「現在、美容師として独立されていますが、独立前はどちらで働かれていたのですか」

 

安倍さん 「最初は諫早で美容師として8年勤めさせて頂いたのですが、その美容室は3日で辞めたいと思っていました」

 

「3日!? それはなぜ?」

 

安倍さん最初はどうしても居心地が悪くて。でもいざ辞めるとなると色々面倒くさくて、辞めますと言って、「はい。明日から来なくていい」ってならないじゃないですか。しかも、他の店舗探したり、履歴書書いたり、色々面倒くさくて。結局8年勤めました。」

 

「でも8年も続けられるのですね」

 

安倍さん「そう思っていたのも最初だけで。どうしても最初は馴染むのが大変じゃないですか。でも理由はどうあれ、続けることによって環境にも馴染んできます。今では本当にオーナーや先輩にここまで育ててもらったなと実感しています」

 

「学校とはまた違った、仕事という環境に最初から誰でも馴染めるものではないですよね。そこを乗り越えたからこそ成長できたりするものですね」

 

 

 

 

安倍さん「そうして8年勤めて30歳前で一つの区切りとして辞めました。それから店舗を探し始めて…」

 

「ん!? その時からもう独立を考えていたのですか!?」

 

安倍さん 「はい、とりあえず一人でやろうと」

 

「すごいですね」

 

安倍さん 「いえいえ、でもなかなか良い所がなくて不動産屋を何件も。良い所があったら連絡しますと言ったきり連絡がこないというのが。そしてたまたまふらっと不動産屋に入ったのですが、やっぱりそこもなくて、また良い所があったら連絡しますと。でもそこから「ありましたよ! 見に行きましょう」と連絡があって! そこが今の店舗になります」

 

 

 

 

「8年店舗で働いて、えっと、今っておいくつですっけ」

 

安倍さん 「今は32歳です。30歳で開業したので、まだ2年目ですね」

 

「辞めたら開業を考えられていたってことは、貯金とかもしていたのですか」

 

安倍さん 「一応貯めてはいましたけど、やっぱり美容師って給料安くて、コツコツと本当に少しずつ。融資が通るくらいにはしていましたね。融資は公庫に」

 

 

「なるほど。安倍さんは諫早のご出身ですよね」

 

安倍さん 「はい」

 

「高校ってどちら行かれたのですか」

 

安倍さん 「高校は長崎日大です」

 

「その後に美容学校?」

 

安倍さん 「いえ、卒業後は大学に行きました。経済学部に。やることが特になくて、先生に進学勧められて。じゃぁ行ってみようかなと。で、大学に行ったけど合わなくて1年で辞めて、その次の年に美容学校に行きました」

 

 

 

 

「どうして美容学校に行こうとしたのですか」

 

安倍さん 「高校を卒業してから髪を染めたりすることはずっと好きで、通っていた美容室で「美容師になれば」とずっと言われていて。まぁ、でもその時は大学に行っていたので断っていました。大学を辞めてからも勧められて、結構考えましたが、してみようかなと。そんな感じですね」

 

「促されるように入った美容業界で独立しようと思ったのは何故ですか」

 

安倍さん 「(笑)なんですかね。後押しになったのは勤めて美容師やっているのが窮屈だったからですかね」

 

「!? だとしても独立してここまで立派にやっているのはすごいですね」

 

安倍さん「(笑)」

 

 

 

 

 

美容師としてずっとこれまで続けられている理由って何かありますか」

 

安倍さん「まぁ、大学辞めているので後がない。というのもありますけど、スーツ着て、オフィスで働くみたいなことはなんか似合わなそうで」

 

 

 

*入り口階段下のメニュー看板

 


 

 

 

美容師って結構下積みとか長そうなイメージあるのですが」

 

安倍さん「そうですね。でもそれは店舗によって違って、僕がいたところは熱心に教えて頂いたという事もあり、1年程でお客さんを担当させてもらいました」

 

 

「なるほど…そういえば、お店の雰囲気とか結構こだわっていますね」

 

安倍さん「(突然!?) そうですね。工務店の方にかなり協力してもらって」

 

「知り合いの方に内装お願いしたりでわないのですね」

 

安倍さん「いいえ、もうそんなことは全くなくて、工務店の方と相談しながら。すごくオシャレにしてくれて」

 

 

 


 

 

 

「今では独立しているわけですけど、お客さん集客のためにやっていることって何かありますか」

 

安倍さん「やっぱり口コミですね。それ以外にはないと思います。広告費払って広告したりはしていません。やっぱり一番は口コミですね」

 

「口コミで集客できますか。口コミしてもらうためにやっていることとかありますか」

 

安倍さん「そうですね。やっぱり、口コミする側もメリットがあったほうがしてくれたりするじゃないですか、なのでウチでは紹介して頂くと会計の10%オフか、ウチが一番推しているヘッドスパを無料で提供させて頂いています。紹介した方もされた方もどちらにも提供するようにしていますね」

 

 

 

 

flamさんFacebookで頻繁にお客さんの施術後のヘアなんかをアップされていますよね。あれ結構私は実際にカットしてくれる人の技術というか、完成モデルが見られて、すごく助かるなと思ったりするのですが、オープン当初からやられていたのですか」

 

安倍さん「はい。アップしたりするのが好きなのもありますけど、アレはどこでもやっていますよ」

 

「でもflamさんみたいにかなりマメにSNSホームページ使って発信しているところは少ないですよ。飛び入りでも入りやすいです」

 

安倍さん「それはあるかもしれないです。どういったスタイルを作るか、お店の得意分野がわかったりするので。頻繁に載せていたりするのが僕の得意分野であったりします」

 

「すごく上手くインターネット使われていますね」

 

安倍さん「ありがとうございます」

 

 

 

 

「店舗開業にあたってはお金ってどれくらいかかったりするのですか」

 

安倍さん「そうですね。このお店で500〜600万ですねか。もっとかかったかも。改装や材料なんかも最初はいくらぐらいかかるのかわかりませんし、計画は立てますけど、やっぱりそれ以上にかかってきますね。お金はあったに越したことはないですかね」

 

 

 

 

「やっぱり開業するにあたり、相談とかしたりしたのですか」

 

安倍さん「いや、してないですね。工務店の方が美容室の改装なんかやった経験があるところで、椅子なんかも工務店の方が色々教えてくれましたね。なので、美容室の改装経験がなかったりするとちょっと難しいかもしれません」

 

独立しようと決めたきっかけって何かあったのですか」

 

安倍さん「んー。コレといってきっかけはなかったですけど、今考えてみると、勤めていたお店では年齢層が高い人向けのお店でした。僕がやりたいのは若い人向けに提供できる技術をやりたかった。それからずっと店舗で勤めているのもよくないなと思い、他の店舗に行っても自分がやりたいスタイルを提供できるかわからないので、独立したほうが早いなと。店舗で働くとどうしても制限があるので」

 

「制限!?」

 

安倍さん「僕がやりたいやり方があっても言えなかったりするので」

 

「そうですよね。勤めるってそうですよね」

 

 

*ヘッドスパ中は激写し損ねました。

 


 

 

「この先の展望なんかあったら教えてください」

 

安倍さん「やっぱり、ここではヘッドスパが売りです。本当に僕のヘッドスパは他のどの店舗にも負けないので。だから、ヘッドスパはもちろん、足つぼとかできたらいいなと。それじゃあお店変わってきちゃいますね」

 

「おお!! リラクゼーションショップですか」

 

安倍さん「そっか、そうなると本当に違っていますね。まぁでもそういったことも視野に入れていて。でもカットも自信持ってやっているので、もちろんカットもやりますけど」

 

 

 

「これからも安倍さんのスタイルを創り上げていくのですね。今は地方の美容学校で学んでもなかなか地方では美容師やる人少ないみたいですけど、今後ここで人を雇ってみたいといったプランはありますか」

 

安倍さん「そうですね。席も3つあるので、雇ってみたいとも思いますけど、僕が提供したいサービスが提供でればいいですけど。ヘッドスパは特に。でも人それぞれの良さもあると思うので、あまり押し付けちゃうといけないとも思いますけど」

 

「こだわりがすごいですね。安倍さんのやりたいスタイルを貫いているなと思います。その自信ってどういったところからついてくるものなのですか」

 

安倍さんヘッドスパは自信あります。他店で私が受けたりするときに気持ちがいいなと思える人に出会ったりしたことなくて」

 

「でも安倍さんは自分のヘッドスパを受けたことないじゃないですか」

 

安倍さん「そうですね(笑)。そうですけど。一人知り合いにヘッドスパを教えたのですが、その人のヘッドスパが気持ちよくて、他店より良くて。しかも他よりも僕のヘッドスパが良いと言ってくれたりする人がいて。そういったところからですかね。他の技術に関しては、他の店舗で勉強させられることもあります

 

「吸収する面はちゃんと吸収して、自信持って貫くところは貫く。素直ですよね」

 

安倍さん「そうですか? ありがとうございます」

 

 

*flam 代表 安倍竜一郎さん

 

「まだ夢を見つけられずにいる人に一言お願いします」

 

安倍さん「そうですね。僕は大学一度辞めているので、そういった面では挫折じゃないですけど。辞めてまたゼロからスタートして美容学校に2年遅れで入って、美容師になったので、やりたいことはいつだってできる。本気でやろうと思えば年齢なんて関係ないです。逆に今思えばよかったと思っていて、大学辞めた経験とか、1年くらいはバイトして遊んでいたりしましたけど、だからちゃんとしないといけないと思えて自分を追い込めたとは思っています。技術とかはどうしようもない面もありますけど、どうしてもやった分だけ、コツを掴んだ分だけ上達するので、とにかくやりこみました。だから、遅れて美容学校に入ったことは良かったなとは思います。お金もあったがいいと言いましたけど、無いなら無いで、本気でやるなら何とかなるかなと思います。僕もお金無かったので。だから、やり始めるのはいつだってできると思います。やって下さい!」

 

「今日はありがとうございました」

 

 

*ロゴは横顔のシルエットに「flAM」とヘアを表現!?

 


 

 

私が感じたライフデザイン

*writer M.yuji 

 

自信と謙虚。素直な人は伸びるとよく聞く。

それは吸収する姿勢が大切だということだろう。

 

安倍さんが営む美容室のスタイルはまさに安倍さんそのもの。

安倍さんのスタイルこそが創り上げた「flam(フラム)」。

最初こそ何にもブレない軸を持って運営をされているのだと感じていたが、自分の強みを認識した上で、常に吸収する姿勢を持っている。

 

大学を辞め、やりたいことが見つからない中でも美容師として再び学び直すことには勇気が必要だった事だろう。

意固地になっていたならばきっと迎えられていない今の安倍竜一郎としてのライフスタイルは、ひたすら自分と向き合い、素直だったからこそだと思う。

 

 

今では自信持って自分らしく生きていると話すその表情は非常に清々しかった。

そして、踏ん張りどころを見つけて続ける姿勢も学ばせてもらった。真摯に自身と向き合うことが自分らしく生きるための一歩。

 

とりあえず私は安倍さんヘッドスパの予約を入れなければとスケジュールとにらめっこしようと思う。

 

 

*安倍さんが運営する「flam」に遊びに行って見て下さい。